「会議の議事録、まだ自分で書いてるの?」 「読書メモを取っても、見返したことが一度もない……」
もしあなたが、忘れないためにメモを取っているなら、それは時間の無駄です。 記憶や記録は、クラウドとAIの仕事だからです。
こんにちは、Catalyst Hub編集長のBunolonです。 データサイエンティストである私は、自分自身の脳を「CPU(思考装置)」、デジタルツールを「HDD(記憶装置)」として完全に役割分担させています。
AI時代におけるメモの役割は、ただ一つ。 「自分というAIの学習データを育てること」です。
ネット検索で出てくる一般論(コモディティ)ではなく、あなたが体験し、感じたこと(一次情報)だけが、AI時代における「あなただけの価値」になります。
その貴重な一次情報を、脳という揮発性のメモリに放置してはいけません。 適切なタグを付け、構造化し、いつでも取り出せる「第2の脳」として外部化する。 そうすれば、将来のあなたがアイデアに詰まった時、過去のあなたが助けてくれるようになります。
この記事では、単なるノート術や手帳術ではなく、知識を「資産」に変え、知的生産システムを構築するための5冊をご紹介します。
独自の選定基準:なぜこの5冊なのか?
「綺麗に書く」ための本は除外しました。知識をリンクさせ、新しいアイデアを化学反応させる「システム構築」の本を選びました。
① リンク思考(Network)
情報をフォルダに分類(死蔵)するのではなく、リンクで繋げて「知識のネットワーク」を作る手法があるか。
② 抽象化(Abstraction)
具体的な事実をそのまま記録するのではなく、AIに応用可能な「概念(法則)」に変換する思考法があるか。
③ 発酵(Fermentation)
集めた情報をすぐに使わず、寝かせて熟成させる「知の生態系」について語られているか。
【知的生産編】脳を「倉庫」から「工場」に変える5選
【5位】アナログ一冊で「検索コスト」をゼロにする
書籍名:『アイデアのつくり方』
著者: ジェームス W.ヤング
- 【私の悩み(Before)】 「アイデアが出ない」と悩む時、ゼロから何かを生み出そうと必死になっていました。真っ白なキャンバスを前にフリーズするような状態です。創造性を「天啓」のような魔法だと思っていたのです。
- 【この本で変わったこと(After)】 60年以上読み継がれる、わずか100ページの本ですが、ここには創造の真理が書かれています。「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」。この定義を知り、私はメモの目的を変えました。答えを出すためではなく、「組み合わせるための素材(カード)」を集めるためにメモを取る。AI時代のRAG(検索拡張生成)の原理そのものであり、迷った時に立ち返る原点です。
【4位】人間は「グライダー」ではなく「飛行機」になれ
書籍名:『思考の整理学』
著者: 外山 滋比古
- 【私の悩み(Before)】 学校教育の影響で、知識を詰め込むことが勉強だと思っていました。しかし、詰め込んだ知識はAIがすべて持っています。誰かに引っ張ってもらわないと飛べない「グライダー人間」のままでは、AIに操縦される側になってしまうという危機感がありました。
- 【この本で変わったこと(After)】 日本の知的生産におけるバイブルです。知識を詰め込むのではなく、「寝かせる」「発酵させる」という概念が登場します。メモしたことをすぐに使わず、しばらく忘れて、無意識下で熟成させる。「見つめる鍋は煮えない」という言葉通り、効率を追い求めるAIにはできない、人間特有の「スロー・シンキング(雑多な結合)」の価値を再認識させてくれました。
【3位】事実を「抽象化」して転用する
書籍名:『メモの魔力 The Magic of Memos』
著者: 前田 裕二
- 【私の悩み(Before)】 起きた出来事をそのままメモしていました。「〇〇さんと会った」「美味しかった」。これでは日記であり、ビジネスの役には立ちません。事実(ファクト)をどうやって「次のアクション」に変換すればいいのか、その変換式を持っていませんでした。
- 【この本で変わったこと(After)】 この本の核は「ファクト→抽象化→転用」というフレームワークです。単に「映画が混んでいた(ファクト)」で終わらせず、「なぜ混んでいる?→体験型コンテンツが求められている(抽象化)」→「なら、うちの事業でも体験イベントをやろう(転用)」と思考を飛ばす。この「抽象化スキル」こそが、AIにプロンプト(指示)を出す際の最重要スキルになります。
【2位】知のジャングルを生き抜く「百科事典」
書籍名:『独学大全 絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』
著者: 読書猿
- 【私の悩み(Before)】 ネットには断片的な情報しかなく、体系的に学ぶ方法が分かりませんでした。自分のメモも散逸し、結局何を知っていて何を知らないのか、知識の全体像(地図)が描けずにいました。
- 【この本で変わったこと(After)】 鈍器のような分厚さですが、内容は「知の運用マニュアル」です。特に「知識のアーカイブ(保存)」と「インデックス(検索)」に関する記述は、個人のナレッジ管理において極めて実践的です。「メモは未来の自分への手紙である」。過去の自分の思考を検索可能にしておくことで、独学の孤独から救われ、巨人の肩に乗ることができるようになりました。
【1位】メモは「保存」するな、「リンク」させろ
書籍名:『TAKE NOTES!――メモで、もっと自由になれる』
著者: ズンク・アーレンス
- 【私の悩み(Before)】 メモを「案件フォルダ」や「日付フォルダ」に入れて整理していました。しかし、あるアイデアが別のプロジェクトで使えることに気づかず、フォルダの壁の中で情報が死んでいました。階層型(フォルダ)管理の限界を感じていました。
- 【この本で変わったこと(After)】 世界中の研究者が愛用する「ツェッテルカステン(Zettelkasten)」メソッドの解説書です。情報をフォルダに入れるのではなく、1枚のカードに書き、タグ付けし、相互に「リンク(関連付け)」させる。人間の脳のニューロンと同じ構造をデジタル上に作ることで、無関係に見えた知識同士が繋がり、勝手にアイデアが生まれるシステム(第2の脳)が完成します。Obsidianなどのツールを使うなら、必読の「OS」となる一冊です。
総評:メモとは「未来の自分」への遺産である
今日あなたが思いついたふとしたアイデアは、明日には消えてしまいます。 しかし、そのアイデアこそが、数年後にあなたを救う画期的な事業の種(シード)かもしれません。
AIは世界中の知識を持っていますが、「今日、あなたが何を感じたか」だけは知りません。 そのユニークなデータを記録し、育てることができるのは、世界であなただけです。 この5冊で「第2の脳」を構築し、AIには決して真似できない、あなただけの知的資産を積み上げてください。
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